次世代シークエンス・アンプリコン解析による衛生管理

ビュー669件分析依頼に関する内容
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製造工程中の微生物群集を把握することで、製品の衛生管理や問題発生時の発生源特定ができないかと考えています。
各工程での製品と溜まり・ふき取りなどがサンプルになると思いますが、糞便や生体サンプルに比べて菌レベルが低いと思われますので、
次世代シークエンスでの解析が可能なのか、解析データに偏りの恐れがないか、またこれを緩和・解消する方法はあるのか、
ご助言を頂ければ幸いです。

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ご回答ありがとうございました。
“工程配管各所での菌叢解析”のようなイメージでNGS解析を行おうとすると、供試するサンプルのDNA量が課題になると理解しました。
かつてゲノム解析を依頼したことがあるのですが、数ngのDNAが必要でした。本解析でもやはりその程度のDNA量が必要なのでしょうか?また貴社に工程サンプルを送付するのではなく、当方でDNAを調整して送付することで解析を依頼することは可能なのでしょうか?

菌叢解析用いるDNA検体の場合、10ng/µlを最低でも20µl以上必要となります。抽出DNAをご送付いただく場合には、16S rDNA(菌類ならITS)のPCR増幅が確認されたもののみ解析可能でございます(可能であれば電気泳動像を頂戴したいです)。 PCRの増幅確認後にDNAをご送付ください。
ただし、事前に16Sの増幅が確認されていても、NGSのプライマーセットを用いると増幅しない場合もございますので、この点はご了承いただければ幸いです。

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お問い合わせいただき誠にありがとうございます。
まず、次世代シーケンサー(NGS)を使った菌叢解析では、PCR増幅したDNA断片をシーケンスします。このため、PCR産物が得られるか否かが解析を進めるポイントとなります。
サンプル中の菌レベルについて
ご推察の通り、拭き取りサンプルなどの場合は菌量が少ないことも多く、ふき取り検体をDNA抽出に供してもPCR増幅に耐えうるDNA量が得られない可能性があります。また、床面や排水管に発生するスライム等であれば、これらは微生物の塊であり、十分なDNAが抽出できると考えます。
解析データの偏りについて
ご存知の通り、培地を使った検査では、検出される微生物の種類は好気や嫌気といった気相条件、培地成分による生育性の違いなどにより異なります。つまり、培養条件が対象微生物に適していない場合、その微生物を検出することが難しくなります。一方、NGSの場合、検体中に含まれるDNAが解析対象となりますので、微生物の生育性にかかわらず、そこにDNAが含まれていれば検出できるといえます。この意味で、NGS解析は生育性や培養条件によるデータの偏りがないといえます。
ただし、前述の通りNGS解析ではPCRを使います。含まれる菌量がPCRで検出限界以下の場合、解析するPCR産物が得られず菌叢解析に至りません。一方、培養法の場合には、微生物を1細胞でも培地上に塗抹できれば、そこでコロニーを形成できるためその存在を検出することが可能です。このことから、含まれる微生物が微量な検体については、NGSは不向きと考えます。
ちなみにNGSの場合、検体中にDNAが存在していれば検出できるため、生菌と死菌のどちらも検出されます。また、得られる結果は菌数ではなく全体の中での割合になります。
これらのことから、NGSを用いた解析は、培養条件にかかわらず検体中の微生物の構成がどのようになっているかを網羅的に解析する場合に向いていると考えます。
弊社としても、「製品の衛生管理や問題発生時の発生源特定」という観点でNGS解析のご依頼をいただいたことがなく、この分野について持っている情報は少ないというのが正直なところです。
ご質問の直接的な答えになっておらず恐縮ですが、ご参考となれば幸いです。

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